4BLD 5BLDで最強になる方法を考えてみる

お久しぶりです〜m(_ _)m

今年初めての記事になります。先日3~5BLDのアジア記録が更新されましたね。 私が特に驚いたのは4BLDと5BLDで、4BLDはなんと18秒も更新されて、しかもoverall PBだそうです。5BLDはWRと3秒差まで来ました。  しかもアメリカでは4BLDのWRが更新されましたね。51秒なんて信じられません。新しい時代が始まる予感がします。2人のキューバーがWRを争う時代がまたやって来ますね〜

 

本題です

まずは4BLDから考えてみます。

分析・記憶・実行に分けます。

分析

偶数分割なのでキューブの向きを自由に変えられます。できるだけ多くのセンターが揃うように向きを調整します。ただしここで時間をかけ過ぎてはいけません。 WRホルダーのStanley Chapel氏曰く、十分いい向きを見つけてそれが最善だと祈るくらいが良いそうです。

ウィングの分析は難しいです

4BLDは50文字よりちょっと少ないくらいで毎秒3文字くらいで分析して、キューブの向きを変えるのが2秒くらい、つまり分析全体が20秒くらいになれば最強になる準備ができたと言えると思います。大変ですが頑張って練習しましょう

 

記憶

トップ層の記憶が平均で20~30秒だと思います。分析とほぼ同時に記憶している事になります。記憶量はレターペア22~24個分で毎秒約1個です。数字80桁を40秒以内に覚えるペースです。しかも分析しながらなので脳のリソースが全て使えない中でこの速さなので数字記憶が30~35秒で出来るのが望ましいと思われます。そう考えるとかなりの記憶力ですね。(5BLDも基本的に同様)

記憶システムの考察

場所法とレターペアは前提として、レターペアの作り方や場所法の使い方が多くて何が最適か分かりにくいと思います。(全員に共通する答えはありません)

記憶システムを比較します。

・レターペアの作り方

  • 1ペア1イメージ…基準(バッファを同じ場所にすれば506個)
  • 1ペア複数イメージ(厳密な数は決めない)  …やや多い
  • PA, PO…2倍(506ペアについてPとAorOを1個ずつ決める必要がある)
  • PAO…3倍(それぞれの要素が506個ずつ必要)

・場所の使い方

  • 1in1…場所を消費する。1個忘れたら思い出せない。(つまりDNFがほぼ確定する)
  • 2in1…よく使われる。バランスが良い。これを基準とする。1ペア1イメージでも使いやすい。
  • 3in1…PAOならこれ。1ペア1イメージでもストーリー法が上手ければできる。場所が節約でき、これくらいならまだストーリーも作りやすい。一部思い出せれば他も思い出しやすい
  • 4in1…場所をかなり節約できる反面ストーリー法が難しくなる。PAOOならこれ。芋ずる式に思い出せる

知っているものを並べてみました。BLDの難しさはレターペアの多さにあります。最低でも506通りのイメージが必要でPAOをやろうとすると1518通りになります。PA,POでも1012通りで、数字3桁の変換表よりも多いです。

BLDくらいのスピードならストーリー法が0秒でできる必要はないのかもしれません。3~4in1でも理論上達成可能だと思います。1個でも忘れたらDNFなので1in1はおすすめしません。結局、これが最善!というものは見つかりません。

ここまではイメージ記憶の話です。音記憶が残ってます。4BLDは交換分析の都合でセンターから解くのが速いです。結論、audio pairやりましょう。

実行

できるだけ止まりたくないです。記憶を速くすると思い出すのに時間がかかってしまうものですが、それ以外で止まらないことが最強になるための条件です。手順はf,bを使う必要が必ずしもあるとは限りません。使った方が速く実行できると思ったら使うだけです。頻度が低いし大きな差はないです。d回転はD D'wとかではなくスライスで回せるといいです。頻出で、1回あたりの差が大きいです。

最近はセンターでフローティングやるらしいですね。1.5手順減るのだとか。

25秒で覚えて45秒で実行すれば1:10です。記憶が一番難しいと思います。

 

5BLD 

4BLDにミドルエッジと+センター(tセンター)がついたものです。奇数分析なのでキューブの向きは決まっています。基本は4BLDと一緒なので軽く説明します。

分析

持ち直し…1秒

コーナー…3秒

ウィングエッジ…11秒

ミドルエッジ…5秒

センター…9秒×2

計38秒くらいが限界だと思います。ウィングとセンターがもう少し速くなるかもしれません。

記憶

センターファーストなら長期記憶が4BLDのほぼ2倍で30~32イメージです。数字記憶より少ないですね。センターの手順数がだいたい9か10で、短期記憶で解くには少し多いです。イメージ記憶と併用するか復唱することがほとんどです。ここで、もう1つ記憶法を考えました。最初の2ステッカーを一旦無視してあとの7~8手順を音で記憶します。残りをビジュアルで記憶して最初のステッカーを見て実行に入ります。殆どの日本勢が3BLDのエッジでやっている事を応用したものです。これが出来れば速いですが、不安定かもしれません。

ミドルエッジのおかげでコーナーを分析しなくてもパリティの有無がわかって交換分析できるのでコーナーファーストでも実行に支障はありません。

 

実行

パーツの種類が多いので3style手順も多いです。それ以外は4BLDとほとんど同じです。正確に回せるように練習しましょう。

45秒で覚えて1:40で実行すれば2:25です。最強になるならもっと速くなることになりますが…

 

練習?

最強の「状態」について考えてきました。今度はどうやってなるか考えます。

分析は量です。ただし、常に出来るだけはやくすることを意識しましょう。

追記:次見るステッカーが何処なのか迷わないようにしましょう。ウィングエッジで特に重要です。バッファを見る→LDfだ→直行 次は○○だ→直行……というようにカクカクした動きになってもいいので次のステッカーまで一瞬で視線を動かす練習をして下さい。

手順は今ある一番いいものを覚えましょう。キューブは一番いいものを使いましょう。

一番時間がかかるのが記憶だと思います。

BLDで現実的な記憶システムは1ペア1イメージかPA,POあたりだと思いますが、まずはレターペアを用意する必要があります。どうしてもPAOで覚えたいならそれでもいいです。これがかなり大変です。用意したレターペアを脳に刷り込む工程もあります。1からやるとするとこれだけで半年から1年ほどかかると思います。次にメモリースポーツで記憶力を鍛えます。ウェイトトレーニングみたいな感覚です。また、キューブを使えないタイミングでも練習できます。

たまにタイムを測ってBLDをやるとモチベーションが上がりそうです。

最後に

理論では分かっていても実現するには多大な努力が必要です。私自身ここに書いたことの半分も出来ていません。そして実はこの記事は自分自身に向けて書いたものです。「速くなりたいな〜」と思ったらここに書いたことをやるしかありません。皆さんも一緒に最強を目指しましょう

3BLD example solve (3style)

3BLDを極める上で、速い人のソルブを見ることは大事ですが、詳細に記述された資料は少ないです。あったとしても古い手順やテクニックを使っていたり、逆に高度すぎる技術が使われていたりする事があります。今回はフローティングなどの超上級テクニックを使わない例をいくつか紹介したいと思います。

 以降基準面スクランブル UF/UFRバッファ

solve 1

F D2 B' R2 F2 R' U' L D2 B U' F2 U2 F2 R2 D' L2 D' Rw' Uw2

コーナーを分析します。

DFL RDB BDL BUR BUL 

ここでループが切れます。ループの作り方はいくつかありますが※1、ここではループの最後の場所と相性がいい場所からループを作ります。この場合はLUFです。従って

UFR) DFL RDB BDL BUR BUL LUF FDR UFL 

となります。

エッジを分析します。

RD DF FR RU UB RB LD BL DB UL 

前半のターゲットがキューブの右側に集中してるため、視点の移動が少なくて済み、速く分析できます。

実行

[R' F': [E, R2]]

[R' U' E' R: [E, R2]]

[U: [L' E L, U2]]

[S' U' R': [E', R2]]

D' R' U' R U R U R U' R' U' D

[U' R': [U, R' D R]]

[D R' U: [R U' R', D]]

[R' U2: [R' D' R, U]]

[D': [U', R' D R]]

solve 2

L2 D' L2 B2 D L2 D2 F2 D' L2 B2 F2 R B L2 F D' U' F' R D Uw2

コーナーを分析します。バッファが埋まっているのでループを作ります。今回はUFLから始めます。

UFL UBR DBL BDR DFR LDF UFL 

奇数文字でループが終わりましたが、COが残っています。LTCTが速いですが、未習得という前提なので別の手段を取ります。文字列の最後にLUB UBLを加えます。最後にUBLのパリティが残ります。つまり次のようになります。

UFL UBR DBL BDR DFR LDF UFL LUB UBL

エッジを分析します。コーナーパリティがUBLなのでUB-ULで交換分析をします。

DF BU LF UL RU FR LB RB RD 

ここでループが切れます。残ったDBとDLパーツの内、RDを見たあと、最小限の視点の移動で見られるのはDBです。今回はDBからループを作ります。結果

DF BU LF UL RU FR LB RB RD DB LD BD 

実行

[U: [R' F' R, S]]

[U2: [R' E R, U]]

[R' U' E' R': [E, R2]]

[Uw' L: [S', L2]]

[U': [S, R' B R]]

[U: [S', R' D R ]]

[R F R': [U, R' D' R]]

[R U' D': [R' U R, D2]]

[U D R D': [R' D R, U']]

[R U R': [U2, R' D' R]]

F R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R F' 

solve 3

B2 D2 U2 R2 F2 L' D2 R2 D2 U2 F2 D R2 B' R D F2 D2 U B2 Rw Uw2

コーナーを分析します。

バッファが埋まっているのでループを作ります。UFLから始めます。

UFL FDL LUB BUR LUF 

2手順+パリティというラッキースクランブルです。しかも手順が長い傾向があるD面が多く揃っています。

エッジを分析します。

FL DF BU RB LD LB UL UR

最後のターゲットURにバッファの側面(交換分析してるので)FUステッカーがあります。よって残りの捻れループとEOの合計が奇数です。FRが揃っていて、既に8文字分析したので、バッファを含む10個のエッジパーツを見たことになります。残りはDRとDBで、DRにEOが確認できます。以上からDBが揃っていることがわかり、分析が完了しました。結果

FL DF BU RB LD LB UL UR (EO:DR)

コーナー3手順、エッジ5手順のラッキースクランブルです。焦らず確実に回しましょう。

実行

[U' D R': [E, R2]]

[M', U R' U']

[U S' U', L']

[M2 U': [M, U2]]

[U: [R' E' R, U2 ]]  [U': [S, R2]]※2

[D: [R' D' R, U']]

[R', F' L F ]

U2 R' U L' U' LR U2 L' U' L

補足等

※1 残ったパーツ全体を見てループの始点を決める方法もある。この場合、FDRから始めると、残りがUFL RDFになる。今回は文中の方法の差は小さいが、この方法を検討する価値はある。その際、分析にかかる時間が長くなるか、実行前に頭の中で最適な解き方を考える事になる。

※2 EOの挟み込みにより、速く解ける事がある。この場合は …UL DR RD UR とする事ができる。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は3style+‪αの技術を使って解きましたが、フローティングやLTCT、その他のテクニックを使うことでさらに速く解くことができます。solve 2でLTCTを用いる場合、UF-URの交換分析になり、エッジでフローティングが出てきます。超上級テクニックの解説もいつかするかもしれません。

個人的な4BLDのやり方

こんにちは。今回は4BLDのやり方について書きます。私は他の日本勢とは少し違ったことをしてるのであまり参考にならない可能性がありますが、日本で私だけがやってるものも世界トップレベルだとやってて当たり前の技術かもしれません。ここでは主に 分析・記憶・実行にわけて書きます。

目次

  • 概要
  • 分析
  • 記憶
  • 実行
  • example solve  
  • 最後に
概要

BLDにおいて、分析・記憶・実行は密接に関わっています。なので完全にわけて考えることができません。分析の章で実行の話が出ることがありますがご了承ください。例えば、実行が速くなる、または記憶が楽になるように分析を工夫します。

使う回転は「全部」です。fやbが使えないと手数がふえます。また、dは1手で回します。D' Dwはしません。コーナーでB回転が稀に出てきます。ウィングやセンターでS、M、(希にE)を使います。

バッファはUFR/UFr/Ufrです。

分析

私はコーナー→ウィングエッジ→センターの順番で分析します。

 まずは基準面を決めます。同じ面に同じ色が2つ以上あるときに判断に使います。(センターのバーと呼ぶことにします。)キューブ全体を見渡してD面色のバーがあればそれを下にします。残りのバーで側面をできるだけ多く揃えます。少しでも多く揃っていることが大事なので例外的にD面色のバーを無視することがあります。バーがなければD、F、R面が1つずつ揃うようにしてます。D面を含む手順は平均的に遅いので減らしたいです。

・コーナーではweak swapという技術を使うことがありますが、使わなくても問題ないと感じます。

・ウィングエッジはループを作る時に主に2つの基準で判断します。まずは速い手順が出てくるようにします。RFdでループがきれればBUrからループを作ると[U R U', r]が得られます。次にパリティ手順が速いところから優先的にループを作ります。ただし、極端に遅い3style手順が出ないように優先順位から外れることもあります。

コーナーにパリティがあった時はUFとURを交換分析して、コーナーパリティ手順でちょうど揃うようにします。これをやらないとコーナーパリティの後にPLLパリティでUF-URの交換をする事になります。

・センターの分析は自由度が高く、難しい要素の1つとなっていますが、各面を時計回りに優先順位をつけて、直前に分析したパーツを指で押さえてます。ただし、U面とD面はグリップの都合で記憶と勘に頼ってます。例外的にU面の最後のパーツを避けてループが切れるのを回避するために優先順位から外れます。

記憶

コーナーとウィングは分析の順番通りに場所法で記憶します。COは1個なら2文字、2個ならそれぞれのU面ステッカーの位置を文字にして記憶します。普通の手順と間違えることはほぼないです。コーナーパリティは場所法か、ビジュアルと足記憶の併用で覚えてます。パリティがキューブの右側/左側にあるという足記憶をすれば大抵思い出せます。ウィングパリティはイメージ記憶する事が多いですがたまにビジュアル記憶で済ませます。

センターは最初の2ステッカーは一旦無視してその次から6手順音記憶します。残りは音記憶に詰め込むかビジュアル記憶します。最初の2ステッカーを確認して実行に入ります。ビジュアル記憶が雑だと本当に忘れます。

実行

センターから実行が始まります。センター手順は先日Stanleyが公開した手順表をベースとした手順を使っています。センターの実行で意識することは特にないです。

次はコーナーを実行します。この時ウィングの最初のほうもどうにか思い出して、実行で止まらないようにします。コーナーパリティは最期まで残しておきます。COが多いと厄介です。COを解いたあとコーナーパリティがの向きが変わるとどこなのか分からなくなるのでこれも最後に解きます。

そしてウィングを実行します。手順はDaniel手順がベースです。ここで意識するのは止まらないことです。常に次の記憶を思い出します。パリティはUfrを含まなくても知っている手順にセットアップして1回で揃えます。フローティングで解けそうなところがあればその場で手順を考えることがたまにあります。

example solve 

1:36.80=50.02+46.77 U F2 D' U' R2 U B2 U' L2 F2 U L2 B' D' L2 B L' F' R2 F2 R2 Rw2 F2 Uw2 D Fw2 D' B' R2 B Uw2 U2 F2 R' D' Rw B2 F2 Fw' Rw L2 F2 D Rw2 F Uw x2 y(基準面スクランブル)

今回はF面、D面、R面にバーを持ってくることが出来ました。とてもラッキーです。(数えると、無条件で7個センターが揃っていますし、D面も半分揃っていてU面が埋まってないのでループも切れないと思われます。)

コーナーを分析します。

UBR UFL LDB RDB LUB DFR DFL 少し楽なコーナーだと思います。

ウィングですが、コーナーパリティがあるので交換分析をします。

DRf RFd BDl URb RDb BRd RBu FRu

BLu LBd FLd DBr BUr DFl FDr UBl

LFu DLb RUf LDf ULf UBl                        単独2点交換がなくて分析しやすいです。交換分析なのでFUlは揃っているものと捉えます。

センター

Lub Dfl Ufl Bur Fdr Ubl Luf Fdl Ubr Rub Bul Rfd Dbr Ldb Bdr Lfd

普通の8手順でした。実行ですが、特殊なことはしてないので省略します。

最後に

今のソルブは決して完璧ではありません。ですが、十分速くなれるソルブです。4BLDは特殊な技術が3BLDほど使われていません。純粋な技量でランキングが決まるのがこの種目の現状です。しかし、私はまだ今のやり方に満足していません。今後は特殊な技術も身につけたいと思います。

  • ウィングパリティの手順を覚える
  • コーナーパリティの最適化(いつか記事をかくかもしれません)
  • コーナーフローティング、LTCT手順
  • もしかしたらウィングフローティング?

いつ終わるかわかりませんが、いつかは習得したいです。

今回の記事はStanleyのExample solveの二番煎じのようなものでしたが、日本語で初めて公開される技術もあったかもしれません。また、これは現状の私ができる最善のやり方に過ぎず、理論上はもっと速いやり方が存在します。いつか何かしらの形で情報を公開します。今後ともどうぞよろしくお願いします。

road to 4BLD sub90 part 1

前書いた記事で2:30目指しましたが、意外とあっさり達成してしまいました。PBの時の記憶が1分ほどでしたが、正直驚いています。自分がこんなに速く記憶できるとは全く思いませんでした。本題に入りますが、今回新たにsub90を目指して行きます。sub2:00でもよかったのですが、既に2:10がでてますので、もう少し高い目標を設定します。この記事では、sub90になるための練習について書きます。

目次
  • sub90の時間ペース
  • 分析
  • 記憶
  • 実行
  • 最後に

sub90のペース

sub2:30は記憶と実行が1:00~1:30でした。sub90おそらく記憶40秒実行50秒ほどになります。記憶はセンターを約10秒で短期記憶でやるので、残りの約32文字を30秒で覚えることになります。3BLDのペースと比べれば意外と余裕があるように感じます。

分析

分析は量です。やればやるほど速くなります。そして、速ければ速いほど量がこなせます。私は、分析は早い段階で練習するべきだと思います。分析が遅いと記憶に支障が出ますし、分析が速くなってタイムが速くなれば、それだけ量をこなせます。センターを音記憶するので、分析の速さは成功率に直結しますし、それが練習の快適さに繋がります。

練習ではキューブを崩し、分析だけやります。できるだけ速く分析するように意識します。たまにメトロノームを使って、分析に時間がかかってる箇所を探し、重点的に練習します。

記憶

BLDの記憶は主にビジュアル、音、イメージに分けられます。

 

ビジュアル記憶は、使える場面がかなり限られます。4BLDで使うとしたらセンターの最初か最後、または両方です。うまく使えば音記憶よりも4文字も多く短期記憶ができるのがビジュアル記憶です。実際ビジュアルと音を併用して3BLDのエッジ(約12文字)を覚える人が多くいます。私はaudio pairを使って音記憶の量を増やし、ビジュアルと併用してセンターを記憶します。

 

音記憶は、覚えようとするとかえって覚えられません。頭を空っぽにします。あと、リズムも大事です。これは人によって最適なリズムが異なります。私は8音覚える時に4/4に分けるか、4/3/1に分けます。それを適切なスピードで声に出して、忘れる前に実行に入れれば基本上手く行きます。これはレベルの高い分析あってのものです。考えなくても分析できることで初めて空っぽの頭で記憶できます。記憶と分析は完全に別のものとして考えることはできません。

 

イメージ記憶は4BLDの記憶の大部分に使われる記憶法です。したがって、最もタイムを左右します。記憶量が多いときは場所法を使います。メモリースポーツで特に使われています。私は2文字1イメージの1プレイス4イメージで記憶しています。PAOO法は使っていません。BLDでやろうとすると各レターペアに3イメージ、合計1518イメージ用意することになりますが、私のような"人間"には難しいです。

1つのレターペアに複数のイメージを割り当てる努力はしています。必ずしも全てのレターペアがそうである必要はないかもしれません。速くなれば真相がわかることでしょう。

練習は、実際のソルブと数字記憶で行います。トランプ記憶でもいいのですが、数字記憶の方が興味があります。メモリースポーツ的にはPAOOとかでなければ1プレイス2イメージが適切かもしれませんが、とりあえず今はBLDと同じように1プレイス4イメージでやります。

実際のソルブはDNFでメンタルが傷ついたり、時間がなかったりキューブを回す音が出せない場面があったりするので効率的に場所法を練習できる方法を選びます。実行と関連しますが、通しのソルブをやらない事で最適化出来てない手順を定着させずに、最適な手順を練習しやすくなるように感じます。

実行

文字列やレターペアから瞬時に最適な手順を想起し、速く正確に回す、これが90%だと思います。5%はフローティングやCOなどの発展的な手順で、残りの5%は手順間のキャンセルやキューブの性能、分析したものを捉え直し、最適な解を見つけることなどであるように思います。また、分析の段階で実行が速くなるように仕向けることもあります。例えば、コーナーパリティの位置によってウィングの交換分析の位置を変えることがあります。

私はまだウィング手順を最適化できて無いので、優先的にやります。

最後に

4BLDの練習を分析・記憶・実行に分けて書きましたが、この3要素は互いに関連していますので、全てをまとめていつか4BLDの実際のソルブについても記事を書きたいです。

上に書いた練習を全てやれば来月の大会でsub90も夢ではないでしょう。しかし現実は非情なことに私に練習時間をあまりくれません。できる所までやります。

3BLD 平均sub20までの道のり 後編 (個人的意見)

こんにちは。K.H.Cuberです。

https://twitter.com/ms3bf/status/1559837052694589440?t=ZtNYnKSRU67U0XgucxAPXg&s=19

お待たせしました。(待ってない)

という訳で今回は3BLD sub40からsub20までの道のりについて考えていきます。この記事の対象は3styleで単発sub40した人でsub20する意思と時間がある人です。練習時間があまりにも少ないとsub20は厳しいかもしれません。sub40したばかりの人はストーリー法や実行など、一部だけでも参考にしてください。

今回の内容です

  • sub20のペース配分
  • sub20に必要な手順
  • sub40との違い
  • 分析
  • 記憶
  • 実行
  • その他
  • 最後に

sub20のペース配分

sub20するには    記憶7秒実行13秒が現実的という意見もあります。個人的にはだいたい賛成ですが、もう少し記憶に時間がかかり、実行がもう少し速い気がします。7.5秒/12秒 くらいだと思います。もちろん人によって得意不得意あるのでペース配分は前後します。

sub20に必要な手順

通常の3styleだけでsub20するのは難しいと思います。最低限2twistsと2flips辺りは必須です。3twistsは3style2回で解けますが専用手順を使うともっと速く解けます。また、フローティングはこの時点でUB, UR, UL, UFL, UBLまで覚えるとsub20に早く到達するでしょう。もちろんコーナーは各バッファに対応するパリティ手順もです。LTCTは習得出来てないのではっきり言えませんが計算上6分の1の確率で10~16手ほど節約出来るので覚えておいて損はないです。

sub40との違い

sub40は3styleに慣れて、復唱なしで記憶すればそこまで難しくありません。ペース配分の幅も広いです。なので苦手なことを放置しても行けます。一方sub20は3styleを反射的に回し、分析とほぼ同じスピードで記憶する必要があります。必要な手順数も多いですしペース配分は限られます。つまり弱点があってはいけません。イメージ記憶が苦手ならレターペア表埋めてストーリー法を練習します。(TPSが限界なら記憶をさらに伸ばすか手数を極限まで減らします。リグリップキャンセルとかの技術を使えばTPSは上がりますがやり方はあまり詳しく説明出来ないです)

ここからは具体的な技術についてです。

分析

分析はほぼ限界まで速くしましょう。記憶より0.5~1秒速くできるといいと思います。あるいは短期記憶だけで覚えるかストーリー法を分析と同じスピードまで強化しましょう。

コーナーの透視というものを聞いたことはありますか?コーナーの透視とは、コーナーの3つのステッカーの2つだけを見てどのパーツが特定することです。英語圏だとtwo color recognition とか言われてます。これをやるとB面を見ずにコーナーを分析できます。これはその場で推測するのではなく、予めパターンを暗記しておきます。ここからは少し記憶とも関連します。

エッジファーストでエッジの最後に2点交換があった時に文字化しないでビジュアル記憶する方法もあります。いちいち文字化するよりも圧倒的に速いです。また、コーナーパリティやEOやCOも文字にしないでビジュアル記憶しましょう。フローティングが1手順だけの時もです。あと、誰も言及しませんが、タイマースタートから基準面に持ち替えるまでもタイムなので、最適化しましょう。これに関しては慣れでいつの間にか出来てる人も多いのではないでしょうか。

記憶

日本勢と海外勢の最大の違いは記憶にあると思います。殆どの人は自分が今まで1番使ってきた言語で音記憶をし、レターペアを作っています。我々なら日本語ですね。

音記憶について

日本だと普通はコーナーをストーリー法で覚えて、エッジを音とビジュアルで覚えます。そのときエッジの最初の2文字を2回分析しています。また、短期記憶に限界まで情報を詰め込むので途中で他のことを意識する余裕はありません。

一方、例えば英語圏では、コーナーをストーリー法で覚えることは共通してますが、エッジをオーディオペアを使って記憶します。これは2文字を1つの音として覚えるもので、エッジは6音、最後のほうをビジュアルで覚えれば5音となります。記憶の保持にかなり余裕ができ、コーナーの先読みがしやすいです。また、エッジの最初を復唱する必要がないです。人によってはほぼ音とビジュアルだけでキューブ全体を記憶できるみたいです。

オーディオペアはできるなら採用することをおすすめします。これがなくても理論上は一応sub20できます。

イメージ記憶について

日本だとコーナーにイメージ記憶を用いる人が多いです。コーナーは平均4手順なので4つの単語を覚えることになります。2つのストーリーに分けて記憶すると、片方だけ思い出せないことがあるので4つで1ストーリーにします。この時ストーリーが思いつかないことがありますが、1つのレターペアに複数の品詞のイメージを割り当てると改善します。私自身はこれに関しては特別詳しいわけではないので、詳細には書けません。twitterでいい情報が稀に見つかります。

記憶するときに最初のイメージを強く意識すると思い出しやすいです。他のレターペアも連鎖的に出てきます。

オーディオペアなしでの最善策

オーディオペアの導入は時間と労力を要します。それなしでsub20する方法は2通りあると思います。1つは音記憶以外の全ての要素を極めること、もう1つはコーナーファーストにすることです。前者は文字通りです。後者ですが、復唱なしで覚えるために短期記憶の量を減らします。その代わりイメージ記憶の量が1.5倍になります。コーナーファーストでトップレベルに速いのはKaijun Linでしょうか。彼はMO3のアジア記録を持っています(2022年10月10日時点)彼は4BLDや5BLDでも輝かしい成果をあげています。(元WR、現NR、AsR)ストーリー法の練度が非常に高いです。私自身、エッジをストーリー法で覚えることがないので、記憶の感覚についての詳細はわかりません。ですがやってみる価値はあると思います。

ここからは少し実行とも関連します。コーナーファーストでの分析ですが、weak swapを使うも良し、UFR-UBRの交換分析を習得して、UFR-UBR UF-xyのパリティを覚えるも良し、速いと思う方を採用しましょう。ただし、前者はエッジフローティングが使いにくくなる可能性がありますし、後者はweak swapなしでエッジフローティングをやってパリティが残った時LTCTがやりにくくなります。LTEF(last target and edge flip)があれば問題ありません。

実行

ここまで読んでくださってありがとうございます。あと少しです。思いのほか長くなってしましました。

実行は手順の量だけではありません。回し方、キャンセリング、グリップ、単純な指の速さ、様々な要素があります。

全ての手順を適切な指遣いで回しましょう。リグリップを減らす回し方をすると最適なことが多いです。また、フィンガートリックのレパートリーがTPSに大きく影響するように感じます。Mという手の回し方だけでも少なくとも5種類くらいはありますし、どれか1つを知らないと極端に回しにくくなる手順もあります。グリップに応じて使い分けましょう。また、同じ指を連続で使うと滑らかさが減ります。さらに、手順自体もグリップに応じて使い分けると速いです。

また、個人的にはキューブにもこだわるべきだと思います。高性能で自分に合ったセッティングのキューブを使いましょう。潤滑も含みます。9tps以上を目指しましょう。

上級者になると分析とは違う解き方を実行中に思いつくこともあります。

UF RD FL

UF-UB flip 

これをflipを先に処理すると

UF DR FLが出てきます。こちらの方が速いです。

その他

nod donしましょう。騒音も対策しましょう。ウォーミングアップを全くしないと指を痛めるかもしれません。特に冬は注意です。こんなところだと思います。

最後に

非常に長い記事になりましたが、ここまで読んで頂き、ありがとうございます。これを読み切るほどの熱意があるあなたならきっといつかsub20できると思います。(どこかで似たフレーズを見たことがあります。勝手に使ってすみません)ここに書いてあることを実践すればsub20できると思います。というかしている途中でsub20します。それだけの事を書きました。まだ書いていない技術も多少ありますが、今書いても直ぐに新しいものが出来てまた記事を書くことになって面倒なので、最新の情報をチェックしてくださるとありがたいです。以上です。

3BLD 平均sub20までの道のり 前編(個人的意見)

こんにちは。K.H.Cuberです。思いつきで記事を書いてみます。

BLDの平均sub20という、超上級レベルまでの行き方について書くわけですが、自分自身そのレベルに到達出来ていると断言できません。

でもそこまでの行き方だけはたぶんわかってます。例えば○○大学行くにはどうすればいいかを考える時に、毎日10時間勉強すればだいたい行けますよね。かなり極端にいえばこんな感じです。ちなみに、sub20する方法についてはNoah Swor氏が既に動画を投稿しています。

https://youtu.be/BhC4hBw9a3M

基本的にこちらに従うのが正しいのですが、日本勢と海外勢では得られる情報の量や質と記憶法が違う部分があると思います。この記事ではBLDに少し慣れてきたところからアジアトップ10レベルまで個人的な意見を書こうと思います。もっと正しいものを見つけたらそれを参考にしてください。また、この記事の対象は3BLDの単発PBが3分前後から20秒の人です。

60秒くらいまで

60秒を目指すとき、多くの人がM2OPという解法を使うと思います。なのでM2OPを使う前提でいきます。また、レターペアやストーリー法が使えると有利だと思います。

60秒で揃えるためには、20~40秒で記憶できる必要があります。この時点で速い記憶を目指すのは疲れるので、実行を速くすることを特に意識しましょう。また、記憶自体も分析が速ければ楽になります。

練習としては、キューブを崩して、数文字ずつ分析と実行を繰り返しましょう。これで分析を練習してキューブ全体の分析が20秒でできると60秒が見えてきます。実行にも慣れておきましょう。このレベルまで2週間で到達する人もいるんだとか。私は半年以上かかりました。

時々通しでソルブすると成長を実感できて楽しいと思います。

sub40まで

M2OPで60秒前後で揃えられる人が次に目指すのはおそらくsub40です。私自身はそこまで速くなれるとは思わなかったのですが、意外となれました。sub40を目指すとき、多くの場合は3styleという解法に移行することになります。3styleの覚え方は諸説ありますが、個人的には簡易的なUF/UFR手順を覚えることをおすすめします。いきなり最適な手順を覚えようとすると挫折するかもしれません。なので最初は思い切って80点くらいの手順で妥協しましょう。覚え方はこちらを参考にしてください。

https://sak-cube.hatenablog.jp/entry/advent-calendar-2020-1?s=09

コミュテーターの原理はこれの関連リンクのところにいい情報があります。

ただし、あまり妥協し過ぎると後で覚え直す時に大変になります。そのへんは自分のモチベーションと相談してください。

こちらの手順表を参考にするのもいいと思います。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1rCpr-RVZVHq4S3ctRvuCfl37uy8A27okymzt5yqMPvk/edit?usp=drivesdk

2twistsと2flipsはUFとUFRが絡むもの以外まだ覚えなくても大丈夫です。3twistsはそもそも2twistsと見分けるのに技術がいりますし、暗記量が多いのでsub30してからでも遅くありません。

この記事では上級者の領域に入り始めるところまでの方法の概要を書きました。分析、記憶、実行どれに関してもより詳細に書くべきものはありますが、全て書くと長くなるので別の機会に書きます。では。

road to 4BLD sub 2:30 part 1

こんにちは。K.H.Cuberです。このシリーズでは4BLDでsub2:30(150s)を目指します。昔3BLDでsub40を目指したのがなんと2年半も前なんですね。あの頃が懐かしいです。

本題に入ります。2:30が目標となった理由は次の通りです。

  • 3styleに慣れてないと難しいタイム
  • 3styleに慣れれば現実的なタイム(未検証)
  • このレベルまで来たらほぼ同じことの繰り返し(未検証)

昔3BLDでsub40を目標にしたのと同じような理由です。ここで、4BLDの2:30について考えます。そもそもこのタイムはsubNRです。かなりの難易度ではあると思います。

記憶と実行にかかる時間はおそらく、1:00/1:30 ~ 1:30/1:00の範囲になると思われます。4BLDの記憶量は50文字前後なので、毎秒約1文字、復習するならもう少し速いペースで記憶することになります。

実行は3style25手順相当なので2~3秒で1手順を回す必要があり、想起が遅いと間に合いません。

 

現状・直近の目標

現在コーナーとxセンターの3styleを回せますが、センターはまだ練度が足りないです。ウィングエッジは体感7割ほど最適な手順をまわせますが、まだ覚えてないものもあります。記憶は2:00~3:00で、目標値からかけ離れています。実行のタイムはPBとPB2がどちらも1:30を切っていました。

直近の目標は3styleを覚えきって記憶を速くすることです。前者は文字通り、後者はやることがたくさんあります。まずは4BLD特有のウィングやxセンターの分析に慣れたいです。

次にレターペアの整備と場所法の練習、そしてセンターファーストでやりたいので記憶が消える前に実行できるくらいに手順に慣れる必要があります。

手順は基本的にこれを覚えます。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1yHyLJDvVbuEsoHONefUq7jAAFta9qM9wydwfSrJOZWQ/edit?usp=drivesdk

スライスムーブについて

さきほど紹介した手順表には、f,bスライスが含まれます。賛否両論ありますが、個人的には採用したいと思います。使える回転が多いということは、それだけ手順が短くなるということです。また、dスライスの回し方も複数ありますが、Stanleyとほぼ同じように回します。この回し方が出来るだけでとても有利です。

ではまた次回、しばらくは今回書いたことをやります。