コーナーファーストの可能性
3BLDではエッジとコーナーを分けて解く。早いBLDerはエッジかコーナーを短期記憶で覚える。エッジを短期記憶で覚えてすぐに解くのをエッジファーストというが、エッジは平均11~12文字あるので覚えにくいこともある。
そこで、エッジファーストともう1つのやり方コーナーファーストと比較し、コーナーファーストのメリットデメリットを紹介する。音記憶が苦手だと感じるのであれば、コーナーファーストにして短期記憶の量を減らして速さも成功率も上げられる可能性がある。
比較1:実行量
結論から言うとこれはほぼ変わらない。
バッファがUF/UFRであるとして考える。
エッジファーストではまずコーナーを記憶し、パリティの有無に応じて交換分析を行う。パリティがあるときはエッジの実行のあとUFとURが入れ替わった状態になる。
コーナーファーストではまずエッジを記憶し、パリティがあればUFとURが入れ替わった状態にする。しかし、分析の時点でパリティの有無が分かっていない。だからパリティがあるときエッジの実行の最後に2箇所を入れ替える必要があった。実行量は増えていた。
しかし、Weak Swapが発見されると手順を増やさずにUFとURの交換が出来るようになった。Weak Swapについてはこちら
Fixing Parity in MultiBLD Pt. 2: The Magic of "Weak Swap"! - YouTube
弱点はループの始点がURピースに限定されループを作るとき数手増えたり、UFとURを交換するのか最後までわからないのでフローティングが使いにくくなったりすることだ。
追記:Gianfrancoがフローティングを南アメリカ記録のソルブ使っていたので、実はコーナーファーストでもフローティングを十分に使えるのかもしれない
比較2:記憶
手順数自体変わらないので記憶量は変わらない。ただし、記憶と想起の順番が多少入れ替わる。また、短期記憶で覚える量も変わる。
エッジファーストでは最初にコーナーを覚えて、エッジを短期記憶で覚える。エッジを実行し、コーナー、あればパリティ、COという順番で解く。約12文字を短期記憶で覚える。
コーナーファーストでは最初にエッジを記憶し、コーナーを短期記憶で覚える。約8文字を短期記憶で覚える。すぐにコーナーを実行するが、パリティをエッジの後に処理する必要がある。3COはパリティの後に解く。つまり短期記憶で覚えたものを実行の最後にとく必要がある。
メリットデメリット
エッジファーストと比べたときのコーナーファーストのメリットデメリットを書く。
- メリット
短期記憶で覚える量が少なくて済む
- デメリット
イメージ記憶の量が増える
パリティがあるときの記憶と想起の順番が複雑になる
手数がわずかに増える
最後に
音記憶が8文字できるのであればコーナーファースト、12文字できるのであればエッジファーストが適している。また、短期記憶は音記憶だけでなく、ビジュアル記憶や身体記憶もある。これらを駆使してエッジファーストで揃えるBLDerも大勢いる。
ちなみに、著者はaudio pairという技術でエッジを音記憶できるが、イメージ記憶の強化のためレターペアが完全に出来次第コーナーファーストをしばらく行うつもりだ。